第18章 約束は早くしたもん勝ち
『沖田隊長ー!』
スパンッと勢い良く沖田隊長の部屋の襖を開ける
「次ノックせずに入ってきたら殺す」
いや自分だってノックしないで人の部屋入ってくるだろ!というツッコミは抑え、珍しくデスクワークをしている沖田隊長の前に立つ
「何でィ…」
『お見合いするって本当なんですか!?』
真剣な表情で沖田隊長を見つめると彼は溜息ついてその場に寝転がった
「ったくザキだな、バラしたの」
『バラしたって…どうして私に隠すんですか!』
きっと昼間土方さんが沖田隊長に話があるって言ってたのも…このことだったんだ。
「言っとくが俺だって好きで見合いするわけじゃねーや」
『だったら断れば…』
「相手は幕府お偉いさんの娘だぜィ?…下手なことは出来ねェだろうが」
少し不機嫌そうに私を睨む沖田隊長に何も返すことが出来なかった
『じゃあ沖田隊長…受けるんですか?』
「…まぁ今回の見合い、断れば真選組の信頼はガタ落ち間違いねェだろうな。取り敢えず今は事の成り行きに任せて、後は向こうの娘さんがお気に召すかどうかで…」
『そんなの召すに決まってるじゃないですか!!』
勢い良く叫ぶ私に沖田隊長は目を見開く
『だって沖田隊長…』
カッコイイんだから…。
『ッ!』
口から出かけた言葉に思わず顔が熱くなる
そんな私を見つめ沖田隊長はゆっくりと身体を起こすと、私の次の言葉を待った
「…だって…なんでィ」
『あ…だ……だって』
「…。」
『沖田隊長の本当の性格知ったら絶対相手の女の人幻滅する…ぐはッ!』
最後まで言い終える前に沖田隊長の鉄拳を食らった
『な、何す…』
「もういい、てめぇと話してたら真面目に聞いてるこっちが馬鹿みたいでさァ」
『わ、私だって大真面目ですよ!!』
沖田隊長は溜息をついて立ち上がり、そのまま私の横を通り過ぎる
『あ、ちょ…ま、待ってください!そのお見合いっていつなんですか?』
「オメーに言っても意味ねェだろうが」
『いやでも、何か策はあるかもしれませんし…』
そう、沖田隊長が結婚しなくていい方法は絶対にあるはずだ。
いつも助けられてる仮を今こそ返すべき時なのかもしれない!
1人熱くなる私を呆れたように見つめ沖田隊長は言った
「…日曜」
『え?』
「見合い、今度の日曜でィ」
『…』
えええええ!?