第18章 約束は早くしたもん勝ち
「何の話してたの?」
『…山崎さんの話です』
「へ?」
ガバッと杏子ちゃんにより手で口を塞がれる
そんな杏子ちゃんに気づいた山崎さんは彼女を見つめ微笑んだ
「倉本さん、初めての巡回どうだった?」
「あっ…えっと…と、とっても楽しかったです!!あッ」
"間違えたッッ"と言って再び顔を真っ赤にする杏子ちゃん
「ハハッそっかぁ、確かに結衣ちゃんと巡回すると確実に何か起こるからね」
人を疫病神みたいにさり気なくディスってくる山崎さんに少し腹が立ったけど杏子ちゃんが嬉しそうにしていた為敢えてスルーした
『それより山崎さんこそ…その頭どうしたんですか?』
そう言って山崎さんの頭上に出来た大きめのたんこぶを指差すと、彼は苦笑い浮べた
「…まぁ、いつもの八つ当たり…みたいな感じかな」
『え、まさか沖田隊長に?』
何かあったのかと聞くと、山崎さんは一瞬辺りを確認してから小さめの声で言った
「実は…」