第16章 無意識ほどタチの悪いものはない【帰省編④】
『あっ!』
「?」
そ、そう言えば私…昨日沖田隊長に…。
この時、頭の中で沖田隊長にキスされた瞬間がフラッシュバックする
夢かもしれないけど…ここは沖田隊長に直接確かめなければ!
『お、沖田隊長…』
「あ?何でィ」
『あの…昨日の夜のこと…とか、何か覚えてませんか?』
「昨日?」
『えっと…なんかお酒飲んでから…みたいな』
「酒…」
『え、お…覚えてないん…ですか?』
沖田隊長は一瞬考える素振りを見せるとポンッと手を叩き言った
「あぁ、お前がケジメの為にバッサリ髪切ったって話だろィ?そういやお菊さんに整えてもらったんだな」
お、覚えてないだと!?
「心配しねェでも変じゃねーから誰も笑わねェよ」
『あ…いや…』
あれ!?
アルコールも入ってないのに何も覚えてないなんて…
もしかして沖田隊長…炭酸で酔った…とか?
いやそれとも…本当に私が気持ち悪いと思われてた?
「お、もうすぐ江戸でィ」
それとも、
- 俺ァ、前からオメーのことが… -
やっぱりあれは
私が夢でも見ていたんだろうか。