【ヒロアカ】暴走する、疾風と雷のジャンクフード【上鳴電気】
第4章 スタートの警鐘はいつも突然に
「それじゃあ説明始め!まず実技試験のルールは実に簡単!1P、2P、3Pと得点が振り分けられた三種類の仮想のヴィランがメニーメニー設置されている!それをなぎ倒し、手に入れたポイントの量で競い合うってことだ!」
「もちろん、他人への攻撃などアンチヒーローな行為はご法度だぜ!」
ワーオ!分かりやすいことこの上ない!
彼のとてもユーモアな説明は入試で凝り固まっていた心を適度に解してくれる。頷きながら説明を聞いている最中、「質問よろしいでしょうか」と声が響き…あのマジメちゃんが手を上げている。
「プリントには四種敵ヴィランが記載されております!誤裁であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めこの場に座しているのです!」
彼が勢いよく立ち上がりプリントを掲げ質問を投げかけるその光景に、今までさんざ雑談に興じていた受験者達は思わず黙りこくってしまっていたようだった。そりゃこの空気の中わざわざ喋りたがる人間はいないよね。
「OKOK!受験番号7111くん!ナイスなお便りサンキューな!四種目の敵ヴィランは0ポイント!そいつは言わばお邪魔虫!各会場に一体!所狭しと大暴れしているギミックよ!」
倒しても意味がない上、むしろ倒そうとする事で試験に合格するのを困難とさせるギミック。流石にこんなものを撃破しようとする人間なんていないだろう。それこそ俺みたいな根っからの馬鹿くらいしか。…残り時間が余ってれば壊してやる。
質問をしたマジメちゃんは「ありがとうございます。失礼致しました!」と発言してから恭しくお辞儀をし席に座る。清々しいまでの綺麗な姿勢につい笑ってしまった。
「俺からは以上だ!最後のリスナーへ我が校の『校訓』をプレゼントしよう! かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』と!更に向こうへ…"Plus Ultra"!」
プレゼント・マイクは「良い受難を」という言葉を残した。
どうやら複数に分かれた演習会場にて実技試験を行うようだ。今のうちに準備運動でもしておこうかな、ラジオ体操第一!って今したらマジメちゃんに怒られちゃうッスね。