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【弱ペダ/新開】王子と女の子D【甘】

第1章 No.1


東堂庵。

それは、私の幼馴染東堂尽八の実家であり、
箱根の老舗旅館である。

子供の時はよくここにきて、
尽八のお姉ちゃんに髪の毛を結んでもらったり
していたなあー…。

なんて、しみじみと考えてみる。

にしても、部活の奴らがこんなとこに集まって、
一体何をしているわけ…。

尽八が最近ロードバイクに目覚めたのは知ってる。
きっと自転車競技部だとは思うんだけど…。
練習とかないの?



ぶつぶつと色々考えていたけど、
行ってみないと始まらないし、
というか、スイカ食べれないし、
と思って、入口をくぐった。



「尽八ー?」



返事はなかった。

「まったくもう…。」

私は勝手に上がり、
予想のつく場所へまっすぐと向かった。

それは、

『卓球台』の置いてある、
娯楽スペースだ。

(真夏の真昼間はさすがに温泉も空いてるなあ…。)

「シャー!」
「ワー!」
「くらえー!」

という声がだんだんと近づいてくる。
私の予想は当たっていた。

娯楽スペースにたどり着くと、
尽八と、もう三人、箱学の自転車競技部の奴らがいた。

東堂「お!!きていたのか!」

尽八は私の方へ走ってきた。

「尽八、私はスイカだけ食べに来たんだから…。」

東堂「何を言っているんだ!せっかく来たなら、戦っていけ!」

「えーねー本当にもういいよ尽八…。」

東堂「みんなー!紹介するぞー!幼馴染のだ!俺らと同じ箱学だ!」

なんか…みんな…大きくない?

東堂「この金髪がフクだ!」
福富「よろしく。」

東堂「こっちが荒北!」
荒北「ハッ!」

東堂「そして最後に新開だ!」
新開「よろしくね、ちゃん。」

金髪の福富くんは不愛想で怖いし、
荒北くんなんてみるからに怖いし嫌だけど、
この最後の新開くんだけ、まるで、王子様だった。

時が止まってしまった。

これが一目ぼれっていうやつなのかな?

ちゃんとした恋とかしたことなかった私は、
この胸がぎゅーってなる感情が、
全くなんのことなのかわからなかった。

卓球なんてやってる場合じゃないよ、これ。

「よ、よろしくお願いします…。」

これしか言えなかった。
これが精いっぱいだった。

そのあと、卓球の記憶はあまりない。
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