第5章 No.5
「あーそうだな、好きかもしれない女の子が出来た。」
東堂「ワッハッハー!」
荒北「ハッ!」
福富「お前は…強い!」
平然を装った。
俺はクールダウンに来たのに、心臓はドキドキしたまんまだった。
自分から人に言うと、なんだか余計確信が入る。
俺はちゃんが好きなんだ。
だから気づいたら大会に誘ってたし、頭も撫でていたんだ。
うん、そうだ。これはもう、紛れもない事実だ。
東堂「ちなみに好きなことは俺の幼馴染だ。」
荒北「あー、なんかすげェ昔に卓球やった子ォ?」
東堂「うむ。」
荒北「…全然顔思い出せねーな。福ちゃん覚えてるー?」
福富「…覚えていない。」
東堂「あまりぱっとする子ではないからな。」
いつまでこの話題なんだ。
もうやめよう。恥ずかしくなってきたぞ。
「じゃあ先部室戻るな!お先!」
俺はペダルを回して急いで戻った。
東堂「新開!!」
荒北「おぉーい!新開!」
福富「荒北、引け。」
荒北「わーってるよ!福ちゃん!俺が追いついてやんよォォオォ!」
クールダウンだろ!こんなところでオーダーだしてどうする!寿一!
荒北「あぁ、臭うよ…おめーから臭うよ…恋の臭いがなァァアァ!!!!」
「靖友!寿一!尽八!落ち着け!」
落ち着けと言いながら、なんだか楽しくなってきた俺はそのまま加速した。
東堂「待つんだー!新開ー!」
みんな顔が笑顔になってゆく。
もちろん寿一以外。
校門まであと少し。
俺は全開で回した。
荒北「福ちゃあん!っけえええええ!」
靖友の掛け声と共に飛び出してきた寿一。
「…っ!」
校門をくぐると同時に追いつかれて、背中をタッチされる。
東堂「俺の出番がなかったではないか!!」
荒北「っせ!うぜんだよ!」
東堂「うざくはないな!!!」
「俺の負けだよ。最高にたのしかったな今の。」
福富「ああ。練習でも俺は強い。」
みんなで自転車から降り、尽八と靖友に肩を組まれる。
寿一は腕を組みながら見守っている。
みんなで腹抱えながら笑って、みんなに頑張れよ、と言われた。
こんな仲間に支えられて俺は幸せ者だな。
自転車も頑張りたい。
だけど恋も…頑張ってみてもいいのかもな。