第3章 No.3
ー新開side
俺は気づいていたんだ。
ちゃんが動物好きっていうことを。
図書委員の当番の時、
自分の前に置いてあった本が全て動物関連だから、
うさ吉に会わせたら喜ぶかなって思ったんだ。
なんだか、俺が思っていた以上に
話しやすくて、親しみやすくて、
楽しい子だったから、なのかな…?
なんとなく喜ばせてあげたいな、って思ってしまった。
ちゃんの顔をみてみると、
うん、満面の笑みだ。
「喜んでくれてよかったよ。」
俺はうさ吉ににんじんをあげながら、
ちゃんの方に顔を向ける。
「逆にありがとう!新開が忙しい時とか、代わりに私面倒みとくよ。」
「本当かい!?それは助かる。良かったな!うさ吉!」
あまりちゃんのことは意識したことがなかった。
ぶっちゃけ初めましてもあまり覚えていない。
尽八の家だったのは確かだけど、
あまり印象の強い子ではなかったから、
かすかにしか覚えていなかった。
その後廊下ですれ違っても、
立ち止まって話す仲ではなかった。
だけど、同じクラスになってみて、
同じ委員になってみて、
話すようになって、
こんなにいい子だったっけ?って。
俺の脳内の記憶がバグるんだ。
俺に言い寄ってくる女の子は、
たくさんいる。
たくさんいるし、ずば抜けて可愛い子なんて、たくさんいる。
だけどその子たちとは違うなにか魅力をこの子は持っている気がする。
なんだろう。
空気感が全く違うんだ。
この空気感はちゃんと話してみないと
分からないような空気感だ。
安心できるような、
包み込まれるような…。
不思議な空気を持ってる。
「そろそろ暗くなってきたから、帰るか。」
「うん、帰ろう。」