第4章 外伝 優しい理由
小春side
翌日___
陽の光が暖かい
目をあけると大きな傷が見えた。「この人は確か…」と昨日の記憶をたどると、屋敷に誘われてからそのまま寝てしまったことを思い出した。
急いで布団から出ようとしたが、体はびくとも動かない。
実弥「…もうちょい寝かせろやァ……」
と、私を片手で抱き寄せる。よく見ればとても端正な顔立ちをしていることに気が付く。それのせいもあり自分から聞こえてくる鼓動が大きく感じた。
実弥「どうしたァ…?」
『…ぁ…ぅ……』
実弥「…おう……」
『……ッ…』
実弥「…わかったよ。」
何も話さないでも私の事を理解してくれた。ゆっくりと上に乗せられていた腕が外される。
急いで書き物を手に取って文字を書いた。
『“本当にごめんなさい。”』
実弥「…あ?」
頭を掻きながら私の方を見た。少し朝が弱いのかな…。