第15章 誰もいない教室で…

………………


「…なんで？」

うわ、何言ってんの自分。

“なんで？”はないだろぉぉ


「一目惚れ…かな」

照れ臭そうに頭をかく九条くん。


「入学式の日、初めて市川さんを見かけて…最初は可愛いなーなんて思ってたんだけど…」

か、可愛いなんて…

「廊下とかですれ違うたび目で追っていて、気づいたら好きになってた。」

「……」


「ずっと話たいと思ってたんだけど、なかなか勇気が出なくて…そんなとき、市川さんに彼氏ができた。」

ﾄﾞｷｯ

陵のことだ。


「市川さん」

「は、はい」


「彼氏がいるのはわかってる。それでも諦められないんだ。だから……」


ﾄﾞｸﾝ ﾄﾞｸﾝ…












「僕と…

友達になってください。」