第15章 誰もいない教室で…
ガラッ
私と男子生徒は誰もいない教室に入った。
「あの、ごめんね。いきなり呼び出して…」
「ううん、大丈夫。その…用は?」
「えっと…」
男子生徒が私をジッと見る。
黒髪に黒渕メガネ。
少し着崩した制服。
第一印象は“頭良さそう”だった。
「まず、自己紹介するよ。僕は九条湊(クジョウ*ミナト)」
九条…くん、か。
「今呼び出したのは、話があって…」
九条くんは少し目をそらした。
「本当にいきなりだけど…僕、市川さんのことが好きです。」
……………………
…………ん?
好き?
「誰が…」
「僕が」
「誰を…?」
「市川さんを」
九条くんが私のこと好き
「えええ!?!?」