第7章 鉛の空にきのこ雲
「………今…?」
『…………何故…今なんだ。』
警報の音がけたたましく鳴り響き
そこらじゅうが焼け野原。
学校の裏の穴には入り切らぬほどの屍。
鉛の空にはきのこ雲。
眩いばかりの閃光に人は黒く焼け焦げて
拡がるのは地獄絵図。
先程別れた彼女も彼も決意を胸に焼き焦げた。
どの道戦えぬのならば
先の辛い別れはなんだったのか
そんな事を考える暇などなく
寂しがりの愛の詩は真っ黒な跡を残して
きれいさっぱり消え去った。
____鉛の空にきのこ雲
眩いばかりの閃光は人生の終わりを告げる。
終わりを告げて数刻後
高熱で焼かれた地面は硝子のように
キラキラと光り輝いた。
まるでソレが無念の涙のようで
沢山の魂が光に溶けて消えた。