第3章 貴方と紡いだ夜の詩
「じゃあ今日も。」
『あぁ、今日も。』
『「お互い死ねますように。」』
_______ギィィ。と鈍い音を響かせて開けた
廃墟ビルの一部屋は狂ったgameの世界。
金と欲望と愛が入り交じる
_____この世の吐き溜め_______
膝に女を乗せた男が博打をして
負けた男が買った男に殺されて
それを手を叩いて皆が笑う。
「天国ね。」
『阿呆か、やっぱ地獄だ。』
2人はココで毎日毎日、甘い薬を売る。
夢見心地にするそれは依存して手放せない。
少しづつ失う現実のおかげで
毎日が楽しくてしかたないのだろう。
2人はそれを見て、ため息もつかず
淡々と売買を続ける。それが彼等の仕事。
快楽の裏側は唯の地獄。
それを知っていても彼等は売り続ける。
それしか知らないのだ。抜け出す方法など
幼い頃からここに通う2人には分からない。
しかしそれはまるで自らがこの狂った人間を
作り出しているようで生きた心地がしない。
彼等は純粋で優しすぎるからそれが
辛くてどうしようもないのだ。
こんな自分達は
普通な幸せなど祈ることも許されない。
だから早くここで巻き込まれて死にたい。
_______パンっ!!!