第1章 あこがれ。
「黄瀬君はバスケ上手なんてもんじゃないよっ!?10年に1度天才5人が集まる世代をキセキの世代って言うらしいんだけど、黄瀬君はその中の1人なんだって!!」
「ホントにっ!?!?」
容姿端麗スポーツ万能の王子様ですか。
そんな作られた話みたいなことが本当にあったことに驚きを隠しきれない。
しかしそれと同時に、その天才とやらがどのぐらいすごいのかをこの目で確かめたくなった。
「南ちゃんっ!!今日バスケ部見学に行かない?」
「私は別にいいけど…もう黄瀬君に惚れちゃったのかなー?」
「なっ!!ちがうよっ!ただどんなプレイをするのかちょっと気になっただけ!!」
「そっかそっかー。まぁでも黄瀬君には惚れない方がいいよー?黄瀬君ってカッコいいけど、あんまりいい噂聞かないし…。」
いい噂が無い…?どういう意味だろう…。
その時の私には、まだ意味がわからなかった。
意味が分かるまであと数日。