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【弱ペダ/荒北】ワガママなおりこうチャン【甘】

第4章 No.4


ビアンキのペダルを回して、湯本までたどり着いた。

私服のあいつを見るのはそういえば初めてだなと思って、
また少しだけ、ドキッっとさせられた。

大き目のパーカーにジャケットを羽織って、
下はスキニーに黒のムートン。

両手を顔に近づけ、息を吹きかけてる。

待たせたかな。

「わりィ、待たせーーー」

さやか「1分38秒の遅刻。」

「細けーなァ。めんどくせっ。」

さやか「15分後、って言ったら15分後。入試は1分も遅れられないよ?」

「ハッ!おめーが突然呼び出すからだろォ。」

さやか「確かに、それもある。」

「んで、なんだよ?」

さやか「暇だったから。」

それだけ?暇だから俺呼び出されたのかよ。

俺はそんな暇つぶしに付き合っているほど暇じゃねーんだけど。
・・・暇だったけど。

つーか、なんで俺なワケ?
彼氏に連絡すればいーのに。

「そんだけ?なんで俺?」

さやか「荒北、暇そうだったから。」

「ハァ!?俺そんな暇じゃねーケド。」

しょうもない嘘をつく。
振り回されたくないからな。

さやか「あっそ、ごめんね忙しいのに。そしたらもう大丈夫。」

「おい!それはねーだろ、お前の暇つぶししょーがねーから、付き合ってやんよ!!!!!!」

さやか「ありがとっ!」

満面の笑みで俺の肩をポンっと叩いて、
先を歩き出した。

俺、初めて見たかも。こいつの笑顔。

・・・かわいくね?

・・・って何考えてるんだ、俺。

俺はのそのそとさやかの後をついてった。

特に話すこともなく。
ただ後をついていく。
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