第4章 No.4
「え…。」
『さやか西木』
滅多に来ないあいつからのメール。
『To:荒北靖友
From:さやか西木
題名:無題
何してんの?
---end---』
あいつはメールも本当に短文でドライだ。
にしても、あいつからの暇なメールは、
初めてだ。相当暇なんだな。
『To:さやか西木
From:荒北靖友
題名:Re:無題
別に、何もしてねーヨ。
---end---』
本当に何もしてねーから、
そう返すしかなかった。
すぐに返事きた。
『To:荒北靖友
From:さやか西木
題名:Re:Re:無題
湯本の河川敷集合。
15分後ね。
---end---』
ハァ!?なんだこいつ。
ワガママすぎんだろ。
突然すぎる。
行けちゃうけど、突然すぎるんだろ。
「めんどくせーなァ!」
とか言いながら、俺は出かける準備をした。
適当にダウンジャケット着て、
チャリの鍵を持って、
階段を駆け下りる。
福富「荒北、お前どこーー」
「わりぃ福チャン!あとで戻ったら!」
こんなに急がなきゃなんねーのは、
あの女の所為。
俺はあいつに振り回されすぎだ。
けどヨォ。嫌いじゃねェ。
俺よりワガママなおりこうチャアン。