第4章 No.4
さやか「私さ、」
突然口を開くさやか。
さやか「誰にも相談できないことあってさ。だけど荒北になら言えそうだな、ってことがあって。」
なんだ突然。
さやかからなにかを話すのは珍しい。
というか初めてだ。
さやか「年上の彼氏。浮気してるっぽいんだよねー。最近冷たいなって思ってたんだけどさ。」
「あっそォ…。」
恋愛相談?俺に?
バカじゃねーの。
絶対相談する相手違うだろ。
女に相談しろヨ。
さやか「けどさ、私と会ってる時、ふとした瞬間優しいこととか言ってくれるから、なんか、信じたくなくてさ…。」
なんだよそれ。意味わかんねーヨ。
さやか「…どうするのが正しいんだろ。って、荒北に相談してもやっぱ意味ないか。笑」
じゃあなんで俺に聞くな。ボケナス。
「そーゆーのって、新開とかに聞いた方がいいんじゃねー?てか、お前女友達いねーのかヨ。」
さやか「いなくはないけど、気を遣うからさ。面倒なの。」
「へェー…。」
女って面倒くせェな。
さやかは切ない顔しながら、川原を眺めていた。
小さくため息をついて、うつむいた。
こういう時なんて声かければいいんだ。
けど、分かるのは、こいつの今日の匂いなんか変だ。
多分こいつ、もっととんでもないことを隠してる気がする。