第3章 No.3
西木side
突然の荒北の気分屋具合に振り回される私。
めんどくさいな。
どこいくんだよこいつ。
荒北「ちょっと待ってろ」
どっか突然行くくせに、今度は待たせる気?
なんてわがままな男なの。
やっぱりこういうタイプの男は苦手だ。
もっと新開くんみたいなタイプの男の子の方がいいわ。
なんでよりによってこっちの勉強面倒みなきゃなの。
本当に面倒くさい。
大きなため息をついて、帰ろうと思った瞬間、
シャーーーーーー
ほっそい自転車に乗った荒北が現れた。
荒北「飯、食いに行こう。」
「えっ」
荒北「なんだよその顔ー!俺から誘うこと滅多にないのによォ!!」
「なんか…変なものでも食べた?」
荒北「ハァ!?めんどくせーな!もう行く気失せたァ。」
どうしたんだろ、こいつ。
突然そんな誘い。
私はこいつに興味はない。
合格すればいい。
だけど拗ねてる顔がちょっとだけかわいくて、
いってあげることにした。どうせ暇だし。
「ははっ、いこーいこー。ファミレスで勉強しよーよ。」
荒北「な、なんなんだよおめー!めんどくせっ。」
自分から飯誘ってきたのに。めんどくさい、って。
変なの。
「荒北の自転車かっこいいじゃん。」
荒北「るっせ。これは元々福ちゃんのなんだよォ。」
「褒めただけじゃん。」
荒北「ほめんな。」
本当にずっとガウガウ言ってくるこの大型犬は
どうすれば手懐けれるのかな。
けどこの大型犬、今日は様子がおかしいんだよな。
どうして私をご飯に誘ったんだ。
「なんで、私をご飯に誘ったの?」
荒北「アァ?!なんでもいいーだろ。腹減ったからだよ。」
「あっそ。」
荒北「…おめーがどんなやつか知りたいから…。」
あら。
あらあらあら?
そんなこと思ってたの?この大型犬ちゃん。
「可愛いやつじゃん。」
荒北「るっせ!!!!!!!」
特に会話もなく、
だけどそれを気まずいとも思わず、
荒北は自転車を引きながら、
私は荒北の横を歩きながら、
ファミレスへと向かった。
気まずく感じないのは、
私は別にこいつになんて思われてもいいから。
だって、彼氏いるんだもん。