第2章 ロベリア2(ダンデ)
「やっと笑ったな」
「はい」
なんであんなに怖いと思ってしまったのか。
「ごめんなさい、私、ダンデさんに会うのが怖くなっちゃって。
でも、やっぱり、昔から変わらなくて優しいなって」
「それは、隠してるからかもしれない」
「……かくす?」
「そうだ」
ダンデさんはお見舞いに持ってきてくれたのか、少しのお菓子と小さな花を添えて私の机に置いた。
なんと言われようと、ちょっとときめいてしまって。
呆然とそれを見ていた。
「この中に、何か隠したんですか?」
「いや」
首を横にふり、語尾を少しあげて否定をする。
「俺の中にだ」
「それは…」
「敢えて言うなら、悪意だ」
彼はそう言った。
意味はわからないけれど、瞳に宿した、その熱だけは本物な気がして。
ぞくっと背筋が冷えて無意識に自分の身体を守ろうとした。