第2章 ロベリア2(ダンデ)
お母さん曰く、私は家の前で倒れていたらしい。
おおよそ手持ちの子たちが私の異変に気付いて、なんとかここまで運んでくれたのだろう。
「ごめんね、ありがとう…」
丁寧に磨かれたボールにそっと呟いた。
お母さんが買い物に出ると大きな声で知らせてくれる。
短く返事をして顔だけ覗かせて見送った。
ふと窓を見ると、もうすっかり夕焼けだった。
家から見るこの景色はとても久し振りで、懐かしくて綺麗だった。
ぼーっと窓を開けて、冷たい風を感じながら、もう少しだけ見たいと身を乗り出そうとした瞬間、強い衝撃波で部屋のなかに戻されてしまった。
強風でも吹いたのかと確かめようとしたら、目の前に、さっきまで考えてた当人がいた。
「……」
来た本人も驚いたように私の顔を見る。
「るる!!!大丈夫だったか!!?」
「!!??」
声を掛けられてやっと現実だと思えた。
目の前にいると思うとまた頬が一気に熱くなる。
「だ、だだだだだだんでさん…!!!!」
情けなくも動揺しまくりで、ほぼ喋れていない。
「今おばさんに会って驚いたぞ!倒れたんだってな!」
「…うっ、ご、ごめんなさい!」
「道に迷いそうになったから上空から駆けつけたまでだ」
ダンデさんは格好よく決めてそう言ったけれど、まさか同じ町内でも迷いそうになると聞いて、私は笑いが抑えきれなかった。
「ふふっ」
ここ最近の緊張とか恐怖心とか、なんだかどうでもよくなってきて、久々に楽しい気持ちになって笑った。