第2章 ロベリア2(ダンデ)
「早く治るようにな」
ダンデさんは少し身を屈めると、またこの前のように、私の唇を奪った。
長い髪が少し頬に触れて、やはり少しだけ重たい落ち着いたコロンの香りがする。
懐かしい気持ちと寂しい気持ち。
複雑な、私の初恋のにおい。
熱を宿した瞳が少し怖くて、顔を反らす。
気付かないうちに手は指を絡められ、逃げられそうになかった。
「あっ……」
「これが悪意だ、わかったか?」
そう言った後、ダンデさんは来たときと同じように窓から帰って行った。
その意味がわかるのは、もう少し先になりそうだ。