第13章 ヤナギ3(??前提トレイ)
トレイさんが新たにお茶をついでくれると、横に座ってくれた。
知ってる人だとどこか安心する。
しかも優しくて頼りになる先輩だ。
「もう少しマシになったら寮まで送ろう」
「いいんですか…?」
大変ありがたい申し出にしっかりと頭を下げ、お礼を言う。
気にするなと軽く言われ、頭をぽんぽんとされた。
これは、どんな人もきゅんとしてしまうだろう。
恥ずかしくなって、立ち上がり、
「あ、も、もう、大丈夫です…!
行きましょうか!」
と明るく言った。
トレイさんは何故か黙ったまま私の手を引き、長い脚の上に座らせる。
近くまで来て漸くその大人っぽくて色気のある顔を近くで見た。
寮服は可愛いけど、トレイさんにはどこか少し似合わないとも思ってしまった。
いつもの制服が格好よすぎるのかもしれない…。
「と、トレ…」
「なあ、これも、どうにかしてくれないか…──?」
私が言いかけたところで、トレイさんは魔法石を見せてくる。
少し濁りかけの、赤い石。
「あ……」
どくどくと心臓が鳴る。
慣れてきたと思ったけど、初めてとの人はやっぱり緊張する。
少しだけ、身体が熱い。
「効いてきたか?ハーブ…」
「…!」
柔らかく、ソファに下ろされる。
腰とお腹の奥が疼く。