第9章 クロユリ5(五条悟)
無言で真ん中に差し込まれる指にきゅっと全身に力がこもる。
「本当は、僕もそうするつもりだった」
「…!?」
「るるの身体と居場所を僕は奪っちゃったからね」
「あ、っ、じゃ、もう、私…」
先生の優しさで置いてもらっているなら、私はもう…。
寂しさで胸がぎゅっと縮まる。
こんなに好きで、こんなに感じて、私一人だけが…。
泣きそうになったところで、くっと中のものが動きを変える。
「でも、今は違う」
「んぅ、ど、どういう…?」
「離したくない、近くにいて欲しい。
僕の方がずっと深く想っているかもね…?」
「…!」
くすくすと笑われながら、甘く口付けられる。
舌遣いがくすぐったく、お腹の奥が疼いていく。
丁度そのもどかしさに中の指がぐっと深く入ってきて触れてくれる。
「んん、うっ、ふ…っ、あぁ…」
息苦しくても勝手に声が上がってしまう。
腰にぞくりと寒気がくると触れられている中だけじんじんと熱くなっていく。
この感覚にどうしても慣れなくて、息を止めながら真っ黒な服に力を入れてしまう。
「あっ……!!!」
「前より上手にイケたねぇ……」
ぽたぽたと、手を伝って流れてしまう蜜がただでさえ恥ずかしいのに、先生が優しく子供に言うように褒めてさらに煽ってくる。
くたっと壁に全体重を預けたところで抱き上げられ、下着を取られるとそのまま猛った楔が貫いてくる。
「んあぁぁっ…!!」
「軽い…ちゃんと、食べてる?」
心配そうにそう聞かれ、両脚を軽々と持ち上げられてしまい、壁と先生だけが私の支えとなってしまった。
体重が緩やかにソレに落ちていき、それに反するようにぐっと下から突き上げられる。
「ぁぁぁぁ…!!!」
先程よりも強い刺激に生理的な涙がぽろぽろと勝手に溢れていく。
熱い舌がそれを掬うように這い、ちゅっとリップ音を立てながら吸われていく。
腰が宙に浮くとまた重力で下から突き上げられ、恥ずかしいくらいに自分の体内から水音がしてきて頭が真っ白になる。
「いやあ!いや、はずかし……聞かないで……っ!!」
「今さら何を…」
先生はまた楽しそうに笑う。
それでもその刺激が気持ちよくて、まだ襲ってくる快楽をゆっくりと受け入れてしまう。