第9章 クロユリ5(五条悟)
おうちに入れてもらってから、ふと、口にしてしまう。
「私、やっぱり出て行った方が…」
「いてよ」
「だって、バレちゃったら、お仕事とか…」
「絶対大丈夫」
「そんな保証どこにも…」
言いかけたところで、口を塞がられる。
後から小声で、黙って、と低く囁かれる。
なんで先に行動するんだろう、と思う前にどこかでそっちの方が先生らしいと思ってしまった。
そして、携帯を探すとすぐに電話を掛ける。
「ごめん、遅刻する。すぐ行くから」
遠くで電話から、え、という驚きの声と規則的な機械音が聞こえ、通話を切ったのがわかった。
「るる、ここに、いてよ」
身長差で抱き締められるとすっぽりと包まれてしまっていた。
私がそれに逆らえないことを、本当によくわかっていらっしゃる。
「うぅ、あ、ん…」
制服の下に手を入れられ、下着を外されながら私の弱いところをつまむように触られる。
胸を柔らかくつぶされるのがもどかしく、腰がざわざわとしてしまう。
相も変わらず綺麗な顔が視界に入るとなんだか照れる。
別に、見た目だけが好きというわけではないのに。
少し悔しく思いながらも、すっかり流されてしまった自分にもどこか腹が立つ。
「やっぱりいいねぇ──制服でスるの。すっごいそそる」
「んやぁ…」
うすい生地のシャツの上から胸の先端に歯を立てられると、今までと違うぴりっとした刺激に声が勝手に上がってしまう。
「白いシャツから透ける下着と短いスカート。
きちっと着込んでいればいるほど、それをどう突破しようかと思ってしまう」
プリーツにしわを寄せながら、長い指先が湿り気を帯びた中心へと向かっていく。
爪の先で一番敏感な芽が弾かれる度に、びくっと肩が揺れてしまう。
じんわりと熱がそこから広がり、脚を閉じようと身動ぎするけど、壁と先生の狭間ではどうにも出来ない。
下着と綺麗な指にうっすら糸がひくのを、意地悪なその人は楽しそうに見せてくる。
顔を逸らそうとしても、顎を捕まれてそれを許してくれない。
「……っ!」