第8章 クロユリ4(五条悟)
「指輪──」
今回の任務も、指輪。
誰かさんが実験でもしているんだろう。
祓って元の金属に戻ったそれを確認し、報告を行う。
今回の任務は初めて彼女に同行を頼んだ。
これは正解だったかもしれない。
ホテルに戻ればその姿があると思うだけで、嫌なことやストレスは大分楽になる。
「ただいま」
「おかえりなさい」
「ご飯は食べた?」
頬にちゅっと音を立て、抱き締めながらダメもとで聞いてみる。
「ちょっとだけ…なので、お腹は空いてます!」
「じゃあ、行こっか」
我慢して待っていてくれたのがとてつもなく嬉しい。
まだ深夜でもやっていそうな店を探し、ゆっくりと食事を楽しんだ。
「今日はどこか行けた?」
「お部屋に着いてからしばらくは寝ちゃってて…、お昼にご飯がてら近くの神社に。
新田さんが一緒に来てくれて、すごく楽しかったです!」
「それはよかったね」
楽しそうに話す彼女を見て、こちらも頬が自然と緩む。
昨夜から朝方までしっかり情欲に溺れていた。
今朝も歩くのが大変そうだったし、寝不足で一人の間に寝てしまったんだろう。
可哀想なことをしてしまった、と反省しつつも思い出すと少し熱が沸く。
明日はゆっくりでいいし、とスケジュールを思い出しながら何回戦できるかざっくり数えた。