第5章 クロユリ2(五条悟)
「ごめんね、後で一緒にお風呂入ろうね…っ」
「…せ、せんせ…!
私なんて、そこまでして助けなくても…!」
そこまでしていたことを知らず、私一人だけが快感を得ていたことが情けなくなる。
「僕がそうしたいだけって言っただろう?」
「で、でも…」
「大丈夫、もうすぐ助けるから」
「…ううぅ…」
「だから、もっとくっついてくれる?
それが今一番僕にとって嬉しい」
「…っ!ほ、他に、何かありますか…!?」
せめて何か助けになるなら、そう思ってまくしたてるように聞く。
「名前で呼んで、好きって言ってくれる?」
こくこくと頷いて、見えない肩に腕を回す。
引き締まった肌が触れて、ぐっと近くに感じた。
真ん中から割けるような痛みがまた少し走る。
「あっ、い、いた…っ」
「女の子の大切なハジメテが、こんなので、ごめんね…」
「ううん、そんなこ、とな…です」
奥に来れば来るほど、バチバチと音を立てながら勝手にされていく攻撃を、私はどうにも出来ない。
「ずっと、ずっと昔から、先生だけをっ、好きでいました…!
今、すごく幸せです…っ」
「それは本望」
痛みと少しずつお腹の奥の熱さが入り交じっていく。
啄むようなキスがくすぐったい。
「あ、あ…んっ…」
徐々に甘い痺れが近付き、少し怖くなって先生の身体に力を入れてしまう。
血と汗のにおいがして、涙が止まらない。
「すき、すきです…っ」
さっきのお願いを思い出して、うわ言のように繰り返した。
「っ、ありがと…、名前、呼んでくれる?」
「悟さん…っ、すき、です…!
あっ、すき…、あっ、あっ…」
上り詰めようと身体に力がぎゅっと入る。
もしかしたら、先生に爪を立ててしまったかもしれない。
私の頭を腕でぎゅっと抱き締められると、一つになれたような言い知れぬ満足感がした。
お腹にどくどくと熱いものが流れる感触がわずかに感じる。
指輪の青い光が止むと、ぱきん、とガラスのようなものが砕ける音がした。