第5章 クロユリ2(五条悟)
「大分無理させちゃったね」
「こ、こちらこそ、ごめんなさい…」
ぬるいシャワーを浴びせてもらい、私は申し訳程度の手当てをさせてもらった。
痛々しく傷が出来てしまった身体を見て、無力な自分がとても悲しかった。
「このぐらい大丈夫だって」
本当になんともなさそうなその声が少し安心させてくれる。
「さて、るるがここにいる理由がなくなったね」
「……っ、はい…」
消し炭になったおもちゃを見ながら、触れられてほしくなかった確信に触れられた。
折角落ち着ける場所も見つけたのに、そこには私を置いておく必要はない。
これから先、また一人になることを想像すると、今までの何倍も何十倍も寂しく思えた。
「大事なものを2つも奪った責任は果たすよ、だから、うちにおいで」
名案、といわんばかりの自信で先生は言った。
「…それは、先生として…大丈夫ですか?」
「うーん、まあ、バレないようにしよう!」
その後、色んな言い訳をして断ろうとしても、あらゆる逃げ道を遮断されてしまった。
そして、結局お世話になることになりました。