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【短編集】倉庫【雑多】

第4章 クロユリ(五条悟)


後日、すっかり忘れてた!と軽く言われてから、私がこの寮にしばらくいてもいいこと…
というより居てもらわないと困る、という話をされた。
一通りの生活に必要な物はアパートから持ってきて貰い、この学校の一般課程授業は受けていいということだった。
「私は…そのじゅ、じゅじゅつ…?の授業はしなくていいんですか…?」
「そこは生まれと資質だから。君はみた感じとても普通だ。
多分あのアパート以外では見えたことないでしょう?」
「た、多分…」
「君の問題はその指輪だけだから、だからふつーの国語算数図工道徳でも受けてて」
「……小学生ではありません…」




一般課程だけ、というものはなかなか少なく、浮いてしまった私はあっという間に一人だった。
今までと変わらず、一人で過ごす。
午後休みの日はのんびりと寮の部屋で過ごしていた。
隅々までこだわって作られた木造建築に、柔らかな木漏れ日のにおいがする。
とても落ち着く空間だった。
部屋にいても人に気を遣わなくていいし、常に緊張しなくてもいい。
初めて開放的だと思ったかもしれない。
自分用のポストをのぞくと、本が数冊。
そういえば先生が暇潰しに買ってきてくれると言っていた。
ありがたい、午後はこれをゆっくり読もうと持っていく。
襖を開けると、そのヒトは呑気に布団の上にあぐらをかいていた。
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