第3章 ロベリア3(ダンデ)
結局近くに取ったホテルまで付き添ってもらい、散々迷ったせいで立つことすら出来ず、背中に乗せてもらう。
切なくも懐かしいにおいにうっとりする。
幼い頃から本当にずっと尊敬して憧れていた。
「もう大丈夫か?」
「……うん、ごめんなさい…」
胃の中は空で、とりあえず原因になっていたものは抜けていた。
しかしその反動、身体中に力が入らない。
丁寧に靴を脱がしてくれて、ベッドの上に座らせてくれる。
不器用そうなのに、あまりに繊細な手つきに動揺しそうになる。
かかとから指を這わされ、靴下もゆっくりと脱がされる。
「そ、そこまでしなくても…」
「気持ち悪いだろ?
弟の世話とかで慣れてるから大丈夫だって」
「……」
そういう問題じゃないけど、とても納得した。
幼馴染みも体調を崩したらこうして世話を焼かれていたのだろう。
帽子を取られ、上着も取られ、それを備え付けのクローゼットにしまう。
温かい蒸しタオルを作ってくれると、顔から髪にかけてゆっくりと拭いてくれる。
「あ…あとは自分で…」
「今日くらい甘えてくれ」
「…ううっ…」
ワンピースのボタンを一つ一つ丁寧に外され、恥ずかしさで両手を前に組む。
それも気にせず、首から鎖骨にかけてまた温かいタオルが触れていく。
そんなつもりないだろうに、私一人がただ恥ずかしく、唇をきゅっと噛む。
その顔を見られるのもツラくなり、手を顔の上で組み直した。
「どうした?」
「い、いえ、あの、大丈夫ですっ!」
腰の細い飾りベルトを外され、また残りのボタンも外されていく。