• テキストサイズ

CherryBlossom

第5章 精王と紅(くれない)祖母さん


もうすぐゴールデンウイークだと言うのに、明日香は桃太を連れて元気に俺の部屋に現れる。

「一八さ~ん、散歩♪散歩ぉ♪」
「ワン♪ワン♪」
「あのなぁ、俺は桃太の散歩係じゃねぇぞ」
最近の明日香は、あの怪しい果物だけじゃなく自分で作った料理まで持ってきてくれる。
どんな材料なのかは分からないが、これがなかなか美味い。
明日香は料理上手な様だ。
それもあって「もう来るな」とは言えない。

明日香は明日香でテレビが見たいから来てる感じもある。
桃太も散歩を楽しみにしてる様だ。
何だかんだ言っても俺も嬉しいのかも知れない。

そんなほんわかとした雰囲気の俺の部屋に桜吹雪が舞った。
「こ、この桜吹雪は!?」
もちろん現れたのは姥桜・響子だ。
「お久しぶりですわね」
相変わらず艶やかな登場ですが、狭いアパートの部屋は桜の花びらだらけ…。
誰が掃除するんだ?とツッコミたくなる。
「響子叔母さまぁ!?どうしたんですかぁ!?」
明日香も来ることは知らなかったみたいだ。
「やはりここでしたか…
明日香、お祖母さまがお呼びですよ
そこの腑…いえ、貴方も一緒にと…」
響子は明日香の頭を撫でながら、俺をちらりと見て言った。
「何で俺まで呼ばれるんだ?」
正直、嫌な予感しかしない。
/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp