第4章 ライバル?明日香のバトル!
「やっぱり明日香は強いや」
「麗華だってぇ強いですぅ」
二人はお互いを讃え合っている。
「じゃあ、あたしは帰る
また、やろうね
彼氏と仲良くするんだよ♪」
「ありがとうですぅ」
麗華も桜吹雪と共に消えた。
俺は口を開けたまま(だと思う)ぼけーっと成り行きを見ていた。
「ワン!」
桃太の一吠えで我に返り、明日香に駆け寄った。
「明日香…大丈夫か?怪我してないか?」
「…大丈夫ですぅ」
心なしか、元気がない返事だった。
「本当に大丈夫なのか?
元気ないぞ」
明日香は俯いたまま、小さな声で呟きだした。
「…嫌いに…なりましたかぁ」
「あん?何言ってんだよ」
「闘ってるところはぁ…見られたくなかったですぅ」
(それで桜並木に行きたくなかったのか…)
「…カッコ良かったぜ、闘ってる明日香は…」
この一言で明日香の表情が見る見る明るくなっていった。
「本当ですかぁ!嬉しいですぅ!」
(全く素直と言うか、単純と言うか…)
「明日香はぁ単純じゃあないですぅ」
「こらっ!勝手に心を読むんじゃない!
油断も隙もあったもんじゃねぇな」
しかし桜の精って本当に何なんだ?
疑問が疑問を呼んで疑問だらけだ。
「さて、俺達も帰ろうぜ」
「はい♪」
正直、いつものほんわかした明日香の方が良い。
俺は、明日香を本気で怒らせない様にしようと思った。