第4章 ライバル?明日香のバトル!
「一八さ~ん、お散歩行きますよぉ」
「お前なぁ…今、仕事から帰ったばっかりだぞ」
明日香は頬を膨らませて、つまらなそうな顔した。
「桃太ぁ、一八さん冷たいですぅ」
「ワン!ワン!」
普通サイズの桃太が吠えても可愛いだけだ。
「また桃太を連れてきたのか
とにかく、一っ風呂浴びるから、テレビでも見て待ってろ」
精界にはテレビはない。(あったら何か嫌)
明日香が初めてテレビを見た時は大騒ぎだったが、今ではすっかりテレビっ子と化している。
テレビに気を取られている隙に俺は風呂に逃げる。
風呂上がりに冷蔵庫からビールを出して明日香の横に座る。
「飲むか?」
「苦いから嫌いですぅ」
ビールを奨めると明日香は首を横に振る。
何日か前に飲ませたら(一応成人なんで)大騒ぎになった。
「ワン♪」
そのかわり桃太が欲しがる。
「しょうがねぇなぁ」
皿にビールを注いで出すと、桃太は尻尾を振りながら美味そうに舐める。
「テレビって不思議ですぅ
この中にぃ、いろんな世界が入ってるんですねぇ」
明日香がテレビを見ながら呟いた。
「作り物の世界ばかりだけどな…
さて、散歩行くか?」
「はい♪」
「ワン♪」
明日香と桃太は待ってましたとばかりに良い返事を返した。