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虹色の月【鬼滅の刃/ 短編集】

第8章 不死川実弥 □ 絵空事





□絵空事【不死川実弥】

◆◆◆◆◆◆




「実弥さんおじいちゃんみたい。」
「……るせェ、ほっとけよ。」

彼は縁側で_ボー。っと空を眺める時間が増えた。

「雲なんか見て面白い?」
「…特になんも見ちゃいねェよ。」

私が隣に腰をおろしてもその体制は変わらない。

「………平和だねぇ。」
「あァ、そうだなァ…。」

最後の戦いから1年の歳月が経った。

「ねぇねぇ、炭治郎君にお返事書かないの?」
「いっぺん書いただろ、テメェがうっせェから。」

平和ボケなんて言葉がこの人に当てはまる日が来るなんて、正直思ってもみなかった。

「皆、元気かなぁ?」
「おめェはそれしか言うことねェのかよ。」

随分と、時間がゆっくり進むようになったと思う。

「だってさ、賑やかだったから。」
「ケッ…煩ェだけだろ。ガキが…。」
「まーたそういう事を言う!!」
「事実だ。…それ以上でも以下でもねェさ。」

そういう彼はやたらと優しい顔をしているから、生き残った仲間達の事は嫌いでは無いのだと思う。



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