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虹色の月【鬼滅の刃/ 短編集】

第4章 煉獄杏寿郎 □想いの丈


□想いの丈



『どうした、元気がないな。』

そう言って顔を覗き込む貴方に
私はだいぶ前から恋をしている。


「もっと違う世界で会いたかったなぁ。」
『そうだな、それは本当にそうだ。』


そして貴方も多分私の事を
好きだと思ってくれているんだと思う。


「鬼は憎たらしいね。」
『はははっ!!そうだな本当に憎たらしい!』


2人は時々こうやって隣り合わせで空を見上げる。
星も月も雲がかかっていてあまりよく見えない。
それがまるで自分達の未来でも見ているかの様で
何となく、無性に腹が立った。


『嫌な空だな!!』
「そうだね、本当に嫌な空。」


真っ直ぐに前を見てよく通る声で喋る横顔は
額が丸っこくて、ツンと鼻が出ていて
とっても綺麗だけど何だかちょっと可愛らしい。


「杏寿郎の横顔、私大好きなの。」
『そうか!!ありがとうっ!!
俺もお前の横顔はとても美しいと思っている。』


あとそうだな…。このありがとう!!までの
快活な声とその後の沈むような声の差も
何か色っぽくて………駄目だなぁ。好きだ。

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