第9章 煉獄杏寿郎 □呼吸 (死ネタ)
□呼吸【煉獄杏寿郎】
◆◆◆◆◆◆◆
「………フゥーー。」
肺にある酸素をゆっくりと吐き出す。身体にある全ての酸素を外に捨て去るこの瞬間が好きだ。
「そうだ、全て吐ききれ!!」
全ての酸素を吐き出して空っぽになった身体に、貴方が吸っている酸素を取り入れる。
「良いぞ!!その調子だ!!」
「………ふっ、ふふっ。」
「む!?な、何故笑うのだ!!」
こんな呼吸1つで、私が幸せだと思っている事をこの煉獄杏寿郎と言う男は考えもしないのだろう。
「師範、ただ呼吸を使うだけで毎回そんなに応援しなくても大丈夫ですよ。もうちゃんと出来ます。」
「…それはわかっているのだか、なんというか。」
「何です?煮え切らない言い方をして。」
何時も快活な師範が、珍しく煮え切らない答え方をしたので私が首を傾げると、燃えるような瞳がこちらを真っ直ぐ見つめてきた。