第1章 はじまり
二匹はすぐに外へ駆け出しました。
「わ~い、晴れた!」
「見て!カミュー、虹よ!」
雲が流れた空には大きな虹が架かりました。
鮮やかな七色の見事な虹は遠くまで続いています。
「カミュー、おじいちゃんの話し覚えてる?」
「おじいちゃんの話し?なんだっけ?」
「虹の伝説よ
虹を渡れば楽園に行けるって…
行ってみようよ!虹を渡って!」
そういうとミーシャは駆け出しました。
「待ってよ!お姉ちゃん!」
今度はカミューが慌ててミーシャを追い掛けます。
ミーシャはフェンスや壁を駆け上がり、工場の屋根に登りました。
「ほら!カミュー、早く!
今なら虹に手が届くよ」
「お姉ちゃん、本当に行くの?」
ミーシャは虹に登ると、カミューを引き上げました。
二匹は虹の上を歩き始めました。