第23章 眠れる皆のお姫様

□姫様達と勇者の帰還




義『柚樹！約束守ったぞっ！！』
カ『しのぶっ！！帰ったわよっ！！』


完璧に準備の整った救護所へ3人が到着する。

義慈は腕以外はほぼ回復し、
カナエも傷は深いが自分で歩けている。

は義慈の腕の中でスヤスヤと
気持ちよさそうに眠っていて顔色も良い。


柚『…良かった。……ほんとに良かった！！』

義『お、おぉ！？泣いてんのかお前！？
全員生きてるぞ。大丈夫だ。ありがとな。』

柚『…っ。…すいません、すぐ、動きますから。』
義『……ちっとくれぇ良いさ。俺も嬉しい。』


その姿に、瀕死ほどでは無い。と
安心したのだろう。柚樹は思わず義慈に
縋り付きポロポロと涙を流す。

柚樹の中性的な見た目と綺麗な泣顔。
男らしい義慈の見た目と対応のせいで
何故だか普通の男女の様にも見えてくる。

普段ならこの姿にとしのぶが
んんんーっ！！と胸を抑えるだろう。



杏『良かった！！皆……生きている！！』
宇『も、顔色が良さそうだな。』
実『………心配…かけやがって……。』


こちらの3人もそんな姿につられ
強ばっていた身体がふわっと軽くなるが、
直ぐに謎の不快感が背筋にゾワッと襲いかかる。

どうやら原因は皆同じらしい。