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【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】

第21章 君が好きだと言う話




心優しい男はいつでも慈悲に溢れていた。

直ぐに涙が零れてしまうほど
酷く優しい男には、この哀しい世界は辛すぎた。

人は…子供はいつも自分の事で手一杯。
平気で自分の為に人を差し出してしまう。
哀しい事だが、それが道理だ。

優しすぎるがゆえ、その悲しみすらも
男は受け入れてしまい逆らう事をしない。

救ってくれた男の為に忠誠を誓い
悲劇を終わらせるためだけに
修羅をも受け入れてひたすら力を奮う。

息を着く間などいらない。
忠誠のため、哀しみを壊すため。

それだけを信念として掲げ
それを生きる意味と感じた男は
やっと見つけた自分の意味が
闇であり修羅であるとはっきりと理解した。

それが自分の意味であると思いつつも
疲労した心に 闇 は揺さぶりをかける。

闇に心が揺れる時
何故か横にいる不思議な猫。

隣にいても何もしない干渉しない。
それに酷く安心した男はその時だけ
安息を得ることができる。

全てどうでもいい そう思うほど心地よく
安息をくれるこの不思議な猫が幸せであるように
気がつけばそれが新しい意味になっていた。

闇と修羅。
それを自分の意味と理解した男は
何もせずにいる幸福に救われたのだ。

人の言葉など信用ならない。

今感じているこの安息のみが
俺の明るい光であるのならば
黙ってそれを守り抜こう。

だからこれからも
闇に揺れた時はただ寄り添ってくれ。
そうすればもう揺れることなど無い。

全て壊し尽くして。
何も無い日々を希望としよう。

お前は変わってくれるなよ。
優しい過ぎる男はそう言って涙を流した。


その優しく慈悲に溢れる姿が
本来のこの男の姿だと知っている猫は
また黙って何もせず男の闇を照らし続ける。


何故こんなにも心地いいのか。
男がそれに気づくのはきっと近い未来の話。

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