第21章 君が好きだと言う話

に初めて出会った時

【この強さは異常だ。】

俺は素直にそう思った。

この娘はどんな修羅を背負いどんな生き方をして
何を思ってこれ程までに強くなったのか。

【同じ修羅を行くなら俺はお前を歓迎しよう。】

俺はそう思い、お前の強さを
只の哀しい悲劇だと……。
俺と同じ修羅の力なのだとそう思った。

しかし、蓋を開ければお前は俺と真逆で
優しさと慈悲に溢れたその力は
そっと全てを包みこむ 極楽 の様な力だった。

闇を受け入れた俺には、眩しく感じるだろう。
相入れることはない…。俺はそう思ったのだ。

それなのには
気がつくと自然に傍にいて
いつの間にか、それが当たり前になった。

何故それを不快に思わないのか。
それは明確には分からないが
きっとが何も否定しないからだろう。

強制することも無い。黙って寄り添うだけ。
ただ優しく光り続け丁度いい心地で照らしてくれる。
その光で出来た影ですらも否定しない。

それは自然な事だから、私は気にしない。
黙ってそれだけを伝えてくる。

お前が横にいると、
まだ純粋な頃に戻ったような
そんな不思議な心地がするんだ。

それは 修羅の力の俺には
本来、厄介な事なのだが
それでもその時だけは どうでも良いか。
そう自然に思ってしまう。

それがどれだけ特別な事か。
それほどまでにの隣は心地がいいのだ。