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【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】

第21章 君が好きだと言う話


□源氏物語 (産屋敷耀哉)



「ふっ、ふわぁ……しゅごい…。」

産『ふふ、そんなに目をキラキラさせたら
眩しくて私の目が潰れてしまうよ。』

これでもかっと、目を輝かせて
拳を握り全身で歓びを表してくれる。
こんなに喜ばれて不快になる人なんて
ただの1人も居ないだろう。

「か、か、か、耀哉様っ!!
私、読み物が本当に好きなんです!!
あの、ありがとうございますっ!!」

産『そんなに喜んでくれるのなら
もっと早く教えてあげれば良かったね。』

彼女の髪はカラスの濡羽色。
頭を優しく撫でるとその髪は柔らかく、
指でそれをといてみれば蕩けそうな程滑らかだ。

猫の毛にも似たその感触が心地好くて
辞め時が毎回わからなくなってしまう。


「耀哉様の撫で方はとっても優しくて、
何だかふにゃって溶けてしまいそうですよ。」

産『ふふ、もう顔が溶けているよ?』

ふにゃっと、既に溶けてるかのように
破顔するその顔は何とも愛らしい。

いつか捨てたはずの切ない恋心も、
こうやって顔を合わせると
結局直ぐにひょっこりと顔を出してしまう。


_____御館様……大丈夫ですよ。
私は絶対に、壊れたりしません。


産『(あの言葉も、頭を撫でた後だったなぁ。)』

時たま不意に想い出す初めて会った時の言葉。
それは何故か自分の核の深い部分を
唐突に触れられてしまった様な
私にとっては、そんな印象深い言葉だった。


産『好きな物を手に取っていいよ。
今日はここでゆっくりしよう。
気に入ったら持っていっても構わないし、
好きにするといい。』

そう言ってやれば はいっ!と
鈴のような声を響かせて本の棚へとかけていく。
それを見て、久々に自分も仕事とは関係の無い
夢物語の様なそんな書物を読み始める。

今私は、棒倒しの賞品を貰っているらしい。

何かしたいことがあるかい?という問いに
一緒に読み物が読みたいです!と
可愛い注文を貰ったので、屋敷の書物庫に
連れてきてやると、こんなに喜んでくれた。
そんな理由で今2人きりでここにいる。

こんな幸せもよく喋る鎹鴉の嵐のお陰だ。

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