【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第13章 派手な男になるまで
「もっと心閉ざしてるものだと思った。」
の声が静かな天井裏にツンと響く。
宇『忍として失敗作なんだよそれじゃあ。
だからこんな仕事に割り振られてんだよ俺は。』
自信なさげな声とは裏腹に
顔色ひとつ変えずに目は資料に向いたまま。
すると、鈴のような笑い声が聞こえてきた。
「ふふふ、この資料全部覚えてるんでしょ?
その紙、さっきから1枚も捲ってない。」
宇『………う。』
茶化すように顔を覗き込まれ
そう指摘されると図星なのか
なんとも気まずそうな顔をする。
「耐え忍ぶ者が忍。って、なんかの本に
書いてあったけどさ。」
忍の、前に天元は宇髄天元でしょ?
地味に悩んでないでさ、派手に行こう派手に!!
その顔は優しく微笑んでいて
その笑顔に何となく心が軽くなる。
宇『何だよ派手って。』
けど良いな、派手。
そうだな、派手派手だ!!!
そう言って笑う顔はやっと年相応の顔になった。
「天元の真剣で冷静な顔も色男で素敵だけど
私、その笑い顔の方が派手で好きだな。」
宇『……お前なぁ。/////』
素直にそう思ったのだろう
全く邪気の無い顔でそんな事を言うものだから流石に照れくさい。
「あ、あれ、今私恥ずかしいこと言った!?/////」
今度は失言に気付き頬を染める。
慌てて誤魔化そうとする姿に もう遅せぇよ。と
突っ込むといじけたように唇を尖らせる。
宇『お前、万華鏡みたいだな。』
コロコロ変わるその表情はどれもこれも
可愛らしく自然とそんな事を思う。
「……こ、この、色男が!!/////」
宇『そりゃ派手な褒め言葉だな!!』
そう豪快に笑って頭を撫でてやると
じっと目を見つめられる。
「あのね、天元。」
宇『…ん?なんだ?』
「天元の笑顔は、花火みたいだね。」
その顔は紅葉色に染まっていて
瞳は蝋燭の光でユラユラと揺れている。
宇『そりゃ……派手でいいな。』
「………お、およ!?/////」
不意にぎゅうと抱きしめられ
は焦るがピクリとも動かない天元に
疑問を感じ背を撫でてやることにした。