第27章 不安と過去とそれから未来

◆◆◆◆◆

実『し、しない訳ねェだろ…。何言ってんだよ。
(もう、ほんと馬鹿だ。…何も分かってねぇ。)』


余りにも不安気な声にため息が漏れた。何をどう考えたらこの状況で俺が盛らないと思えるのだろうか。


「………そっか。」

短く聞こえた返事に顔を上げると案の定、今の俺にとって厄介な顔をしていた。


実『………はぁ。だからその顔ォ…。』

「……？顔？」

実『……いい加減にしろよ本当に。』

「………ごめん、なさい。」


困ったような、泣きそうなような。
異様なほど加虐心を煽られるこの顔が、もし計算だとしたらとんでもない悪女だ。


実「……無理させたくねェんだけどなァ。」

「………？」

実「(やっぱ、もう我慢出来ねェや…。)」


本当に無理をさせたくないんだ。それが前提にあるけれど、もうどうしよもなかった。


実「……たぶん、痛がっても辞めれねェからな。」


その先への妄想なんてやり尽くしたほどしているし何もしていないのに息が上がるほど求めている。


「…へ？……してくれるの？」


どんな勘違いをしたのか、心底不思議そうなには悪いがその問は大きな間違えだ。