【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第27章 不安と過去とそれから未来
実『…なァ、嫌じゃねぇの。分かったか?』
口が付くか付かないか、お互いの吐息がかかる。そんな距離でそう問いかけると甘ったるい目をしたが遠慮がちに頷いた。
実「これでいいだろ?」
「……あ、ありがとう。」
実『あァ…。(…何でこう。いつもいつも。)』
短い返事をしてから仰向けに寝転がる。
自然と小さなため息が出た。
怪我さえなければ、なんの問題もないのに。
いつもいつも本当に間が悪い。
実「…俺はいったいどうすりゃ良いんだァ…。」
限界なんてとっくに超えているんだ。
今だって顔を見ないように腕で目元を隠して、暖かい体温を意識しないように身体を捩っている。
「…私もわかんないけど…ちょっと安心した。
ごめんね、いつも…なんか空回りしちゃって。」
実「そこじゃ、ねぇんだよなァ…。」
袖を引っ張りそんなことを言われた。
きっと今、俺が弱いあの顔をしているんだと思う。
実「(空回りどころか、すげェ嬉しいんだけどな。
手を出せればなんの問題もねェんだよ………。)」
その顔が見たくて、腕の隙間から覗くと案の定あの顔をしているのが目に入り、俺はゴロリとソレに向き合った。
実『…………。(どんな顔するんだろうなァ。)』
柔らかい頬に手を添える。
この先に進んだらこの不思議そうに目を見開いた顔よりもっと良い顔が見れたりするのだろうか。
「……実弥?」
名前を呼ばれるだけで、脳がぐらついて目を合わせる度に好きだと思っているなんてきっと、鈍いには分からないんだろう。
実「…。」
この名前が俺にとって随分特別な物で色んな物をどうでも良くさせるなんて気づかないんだろう。
そんな事を思いながら胸の合わせに手を這わせた。