第25章 強化合宿はじめます

杏「………不甲斐なし。穴があったら…。
…いや、俺は馬鹿か………いや、本当に馬鹿だ。
これはもう助平とかそういう問題ではない。
ただの阿呆だ、コレでは煩悩の塊ではないか。」






穴があったら入りたい。などという言葉で
よからぬ想像する位、知能が低下している。

馬鹿と言われても、もう何も言えん。

割と気に入っていたこの言葉を使う度に
自分の阿呆さを思い出しそうで辛い。






杏「俺はどうにもが好きらしい。」






何度も何故だろうか疑問に思ったことがある。

けれどその度、溢れるくらいに理由が
明確に出てきてまた好きだと思ってしまう。


そして、
それと同時にの様に強くなりたいと
男として繰り返しそう思う。


人としても異性としても憧れなのだ。

逃げられる訳もないのだから
俺はそもそも迷うことすら許されない。

束縛に似た言葉にすら幸福を感じるのだから
あとは突き進むしかないのだろう。






杏「(……死ぬなど出来るか。)」






こうやってまた俺は強くなるんだ。

不安の理由が俺の弱さならば
”杏寿郎は強いよ。” という強がりの様な嫌味を
現実にしてやるのが、俺の役割だからな。


そんなことを思いつつも
相変わらずまだ煩い鼓動に溜息をつき
これだけ好きなのも恐ろしい事だな
とやけに明るい月に語りかけた。


帰ってこない返答に当たり前かと苦笑いをして
なるべくを思い出さないようにしたが

結局それも無理で、俺はまたいつかのように
眠れない夜を過ごすことになりそうだ。