第9章 *極悪非道 時透無一郎
キメツ学園中等部
私はそこに通う2年生だ。
居たって普通のどこにでもいるような女の子。
ここに通う生徒の半数はイケメンか美女で毎日黄色い声が飛び交っていた。
その中の一人時透無一郎は私の幼馴染。
けれど、彼は久し振りに再会したら記憶を失ってて
私の事なんて忘れて今を生きていた。
無一郎には同じ顔の兄、有一郎がいるのも中等部の間では有名で
無一郎が記憶喪失になったのと同時に転校してどこかに消えてしまったらしく、もしかしたらそれが原因なのかもしれない。
当時携帯なんて代物を持ってなかった私達は当然、お互いの連絡先も知らなかったわけで。
昔は家が近かったのも、私の両親が離婚をきっかけに引っ越してしまい関係が崩れたのもそれも理由の一つなんだろうと思う。