第40章 *僕の色に染めて(時透無一郎)
彼女は何にでも染まる真っ白な人。
とても純粋な彼女は、人に流されやすくそして疑うことを知らないような清い心の持主。
悪く言えば、世間知らず。
そんな彼女を僕はずっと見ていた。
幼い頃から近くに居て、汚れないようにずっとそばにいた。
害虫が寄ってきても、気づかせないようにしていた。
オシャレに疎い彼女は、どこか芋臭いけれど
それでいいんだ。
ありのままの彼女が好きだから、自分を飾り付けなくて、地味の見た目で良かったのに。
夏休みが終わった8月27日
彼女は垢抜けて、別人のようになっていた。黒色だった綺麗な髪は明るい茶髪に染められ、眼鏡からコンタクトに変えた君。
大切にしていたのに、誰かが僕の宝物に手をつけてしまった。