第39章 前世のツケ 時透無一郎
『…はぁ…』
まただ。帰り道、友達と別れてから感じる視線。
授業中、お昼の時間、登下校感じる視線。
私はこの視線の招待を知っている。
後ろを振り返れば、ニコニコした顔で手を振るのは時透無一郎だ。
『近くにいるならなんで、声かけないの?ずっと見られたって気持ちが良いものじゃないわ』
「そう?僕はの後ろ姿を見るのは好きだけどな」
時透無一郎は私のクラスメイトでもあり、幼馴染。
双子で有名で、将棋が強くて有名。そんな彼は何故か私に執着している。
正直、私はどこにでもいるような普通の女の子だ。成績だって運動だって並み。
性格だって地味な方で、目立たない。
そんな私に弟の時透無一郎は常に付きまとっていた。
『…はぁ…いい加減彼女作って、私離れしたら?』
「いい加減、僕と付き合ったら?」
会う度に交わす決まった言葉。