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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第37章 真心込めて作ります時透無一郎



『ごめんなさいっ… 前が見えなくて…』

「ふーん、今年もそんなに貰ったんだ」


『っ?!無一郎?』



プレゼントを持つ手を横に動かし前方を見れば無一郎がそこに立っていた。
いつもよりワントーン低い声に怒ってるのかと表情を伺えば無表情で感情が読み取れない。

『えっと…』

「それ、全部男からでしょ?」

戸惑うに無一郎は確信をもって言う。素直に頷くに無一郎はプレゼントを奪い取ると足早にどこかへ向かった。
急いで後を追えば今しがた向かおうと思っていた甘露寺邸。

「甘露寺さん、が貰ったプレゼント全部いらないんで貰ってて」

「えええ?!いいの?!無一郎君なんて、優しいの?!きゅんときちゃうわ!!」

『……(そこに私の了承はないのかね?)』

差出人は誰かはわからないが貰ったのはだ。
最初から甘露寺に渡す気でいたから悪い気はしないけれど、やはり一言言ってほしい気持ちはある。
甘露寺は嬉しそうにクッキーを頬張るとにも大きな声でお礼を言う。


「……は他の男からのなんて貰っちゃ駄目なんだよ
僕があげればそれでいいでしょ?」

『無一郎っっ』

照れ臭そうに懐から出し渡されたのは綺麗にラッピングされたチョコレート。
綺麗に包みを剥がして口に含めばがりっと音ともに不可思議な味が口に広がった。

噛めばジャリジャリと本来ならチョコレートを食べる音ではない音がした。

『……あ、ありがとうっ(無一郎の手料理だ…全部食べないと…)



「おいしい?」


『…うん、どれも個性的な味!
(無一郎が料理下手なの忘れてたわ
)』

幼い頃米を炊くときに釜戸を爆発させたり、特殊な味付けをしたりと無一郎は料理に関しては腕がとんとない。
よくそれで有一郎が怒ってたなと
情景が思い浮かんだ。


普段から物を贈ることをしない無一郎が自分のために作ってくれたのだから。
途中何度か意識が遠のいていくような気がしたけれどそれでも頑張って作ってくれたのが安易に想像できてそんな無一郎の気持ちが嬉しくては全て平らげたが、

もちろん、その数分後に倒れたのはとても近い未来の話。












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