第5章 勘違いもほとぼどに 時透無一郎
今日もいつの間にか手に入れた合鍵を使って家の中で待つこと数分。
やっと無一郎の歩く気配を感じたから健気にお出迎えしようと立ち上がったところ何やら怪しい影がもう1つ。
「炭治郎~、茶菓子用意するから勝手に上がって寛いでよ」
「いやいや、時透君、そんなお構いなく」
いいからいいからと無一郎の手で背中を押されながら家の中に侵入する炭治郎くん。
これより、私は炭治郎くんの追跡および監視を始めたいと思います。
座蒲団の上に座る炭治郎。そのあとすぐに御手洗団子とお茶を用意した無一郎がやってきた。
二人並んで座り、他愛のない話をすること数時間。
本来そこのポジションは私のはずなのに、楽しそうに雑談する竈門君に嫉妬の炎がメラメラと燃え始めていた。
「…~好きなんだ」
「うん、俺も…~好きだ」