第34章 *スカビオサの花言葉時透無一郎
激しい雷鳴が鳴り響く、
雨は地面を叩きつけるように降り続け、地面にはいくつもの水溜まりを作っていった。
雨が視界を遮り、一層視界を悪くした。
水溜まりを踏みつけ走る。跳ねた水が足や隊服を濡らすも、一切気にせず、走り続けた。
『(追いかけてくる鬼が2体…)』
気配でわかる、鬼の数。
逃げてるように見せ掛け、鬼を人気のないところへ誘導する。
誘導されてる事に、気づかず血眼になって鬼は鬼狩りを追いかけた。
[どこまで、逃げるつもりかな?]
[逃げたって無駄だぜ…早く肉を寄越せ]
気色の悪い笑みを浮かべて、ジリジリ歩み寄る鬼達。
走るのを止め振り返えれば、
その笑みはげらげらと下品に笑った。
日輪刀を手に持ち、深呼吸をして
足を前に踏み出すと
二匹の鬼は同時に躱し、長い舌や手を使い交互に反撃をする。
2つの攻撃を、なんとかギリギリで躱し呼吸を駆使して一匹の鬼を斬首するも、残った鬼に横腹を抉られ近くの木に激突した。
前のめりに倒れ、雨で泥濘んだ地面に蹲る。
『っづ!!…ぁっはぁ…はぁ…ぅ”』
呼吸で止血はしたが、攻撃された衝撃で肋骨が何本かいってる…それに、足も骨が砕かれ思うように動けない。