第33章 *蜂蜜を更に甘く煮詰めて(時透無一郎)
記憶を取り戻してから、とても気になる人ができた。
話したことはないし、会った事も片手で数えられる程。
それなのにどうしてこうも、君に惹かれるのか。
彼女がΩなのは知っていた。初めて会った時に僕の心を埋めた感情は彼女を孕ましたいという感情。
近づいてみれば、Ω独特の甘い香り。
けれどもこれだけで無理矢理自分のものにするほど、精神力がやわではない。
びびびときた、ΩのフェロモンではないαとΩの運命のような直感。
この子じゃなければ駄目なんだという最早使命のような。
それからはずっとずっとずっと彼女をいつ自分のものにしようかそれだけを考えていた。彼女を僕で一杯にして、誰か他の人と番になる前に僕の番にして。
そして、偶然を装ったように
彼女がヒートの時に家を訪ねて無理矢理自分のものにした。
これからはこの甘い匂いは僕しかわからず、発情も僕の前じゃないとならない。今も僕の下で腰を振る彼女はとっくのとうに理性なんて忘れて猿のように快感を求めている。その必死さが、孕む事しか考えないがとても愛らしい。
これから3日3晩彼女と交わり合う。Ωについてこれるのはαだけ。
君に付き合えるのは僕だけ。
これからもよろしくね。?